リスティング広告のターゲット設定に欠かせないキーワード設定。失敗しない選び方のポイントとは?

リスティング広告は、ユーザーの検索アクションに連動して広告が表示されます。アカウントの設計時点では、「ユーザーの検索キーワード=ユーザーのニーズ」を戦略的に組み立て、キーワード設計を行います。キーワードの選び方を間違えてしまうと、ターゲット設定がブレてしまうだけでなく、ユーザーのニーズに対し正確にアプローチできません。

今回は、リスティング広告のターゲット設定に欠かせない、キーワードの選び方について見てみましょう。

キーワードの選び方の手順とは?

リスティング広告のキーワードは、大量に登録しておけばいいというものではありません。事前に定める目的・目標によっても選び方は異なりますし、予算の大小によっても異なります。キーワード選定のポイントを押さえておくことで、ブレないターゲット設定ができるだけでなく、運用後もメンテナンスしやすい設計ができます。では、順を追って見ていきましょう。

目的・目標を明確化する

広告戦略の実施には何らかの目的・目標の設定が必要不可欠。リスティング広告も同様です。売上拡大を狙いたいのか、獲得単価を抑えて堅実に成果を得たいのか。それによってキーワード選定も異なります。

売上拡大や高い目標件数の達成を考える場合、検索数を多く稼げるビッグワードに力を入れ、キーワードを絞らず幅広くアプローチすることで、広告表示回数やクリック数を増やすことができます。

一方、獲得単価を抑えた堅実な運用を考える場合は、多くのコストを消化するビッグキーワードではなく、競合性の低いキーワードに絞ったり、自社固有の強みとなるキーワードに絞ったりと、クリック数を抑えた運用を考えなければなりません。

キーワード選定に先立ち、目的・目標を明確化することは、非常に重要なプロセスといえます。

グループを意識してキーワードを洗い出す

目的・目標を明確化した後は、実際にキーワードを洗い出していきます。まずは、思いつく限りのキーワードを列挙していきましょう。洗い出しているなかで、特徴ごとに複数のグループにキーワードを分類できることに気づくはずです。そのグループ分類を意識したうえで、キーワードを洗い出すようにしましょう。

まずは質より量を重視し、その後にブラッシュアップを行うことが、精度の高いキーワード設計のポイントです。

ブランドワード(指名ワード)を選定する

一般的に、商品やサービスの販売目的で、リスティング広告を活用するケースが多いのではないでしょうか。その場合、対象となる商品名やサービス名、ブランド展開している場合はそのブランド名など、自社のプロダクト名が存在するはずです。その名称となるキーワードを、ブランドワードもしくは指名ワードと呼びます。

ブランドワード・指名ワードで検索するユーザーは、そのプロダクト名を知るユーザー。購買意欲が高いユーザーといえます。そのため、コンバージョン率は高くなることが予想されます。

意欲が高いユーザーを確実に購買へとつなげるために、ブランドワード・指名ワードの登録は欠かせません。しかし、自然検索で1位を獲得できている場合は、あえてリスティング広告を出稿しなくとも購買につながる可能性が高いもの。

そういったケースでは、競合のリスティング広告の出稿状況などをチェックしながら、ブランドワード・指名ワードの登録を判断しましょう。

購買につながるキーワードをまとめる

ユーザーはさまざまなニーズを持って検索アクションを行います。商品やサービスの購入目的での検索の場合もあれば情報収集のケースもあります。そこでまずは、購買につながるキーワードをまとめていきましょう。

例えば、「○○ 購入」「○○ 予約」「○○ 資料請求」などのキーワードは、ユーザーが購入を検討している際に使用するキーワード。これら購入につながるキーワードをまとめていきます。

購入につながるキーワードは、高いコンバージョン率が見込めるものの、広告を表示させるためのキーワード単価が高くなってしまうケースもあります。コンバージョン1件獲得にどれだけのコストを投下できるのか、事前の目的・目標を考慮しながら、運用を継続するのがポイントです。

情報収集を行う潜在層向けキーワードをまとめる

購買につながるキーワードは、商品やサービスに対し顕在ニーズを持っているユーザーが検索します。一方、潜在ニーズを持つユーザーは情報を集めている段階のキーワードを用いて検索を行うのが一般的。

例えば、「○○ 方法」「○○ おすすめ」「○○ 特徴」などのキーワードは、それほど購買意欲は高まっていないものの、情報収集の欲求が満たされた後は、購買ユーザーになる可能性を持った潜在層。これらのキーワードの洗い出しも重要です。

ただし、情報収集に留まってしまうユーザーもいますし、比較・検討した後に他のプロダクトに興味を持つユーザーもいます。これらのキーワードは運用状況をチェックしながら、効果的な獲得につながっていないと判断した場合は、キーワードを停止するなどの対応も求められます。

ビッグワードをまとめる

ビッグワードとは、プロダクトが属するジャンルや商品全体を言い表すキーワード。検索ボリュームはとても大きくなることが予想されます。

ビッグワード単体では、具体的なニーズまで指定することができませんので、前述の購買につながるキーワードや情報収集段階のキーワードなどと組み合わせ、効率的にユーザーのニーズにマッチする組み合わせを作るのがポイントです。

効果が期待できない不要なキーワードは省く

キーワードは『Google AdWords キーワードプランナー』などのツールを活用することで、事前に検索ボリュームなどをチェックすることができます。

検索ボリュームがあまりに少ないキーワードは、広告が表示されないケースがあります。また、効果につながらないキーワードや、明らかに競合よりも魅力が下回るキーワードなどは、この段階でキーワード登録の対象から省くようにしましょう。

限られた予算で運用する場合、大量のキーワードを登録してしまうと、本来コンバージョンにつながっていた有効なキーワードに予算が回らなかったりするため、効果的な運用ができなくなります。

また、キーワードを大量に登録しているとメンテナンスも煩雑になるため、事前に明確化した目的・目標にマッチしたキーワード以外のものが含まれていないか、このタイミングで判断しましょう。

軸を考えてキーワードを組み合わせていく

ここまでのステップで洗い出したキーワードを実際に組み合わせていきます。ユーザーの検索行動は多くの場合、「居酒屋 格安」など複数のキーワードを用いて検索します。そのため、効果的な組み合わせができるかどうかで、運用後の成果が変わってくるといっても過言ではありません。

キーワードの組み合わせを行う際は、軸を定めましょう。購買につながる軸なら前述の通り、「○○ 購入」「○○ 予約」「○○ 資料請求」など。他にも、情報収集軸やエリア軸、コスト軸、事例軸、実績軸など、たくさんの軸が思いつくことでしょう。

これらの軸はユーザーのニーズともいえます。どういったニーズを持つユーザーがコンバージョン獲得につながるかを判断するために、軸を意識してキーワードの組み立てを行ないます。

もちろん、ビッグワードやブランドワード・指名ワードなどは、組み合わせだけでなく単体のキーワードとして運用することも可能です。予算や1件獲得コスト、自然検索での順位などとのバランスを考えながら、単体キーワードを入札するか検討しましょう。

運用前のアカウント設計の精度が成果を左右する

リスティング広告では、運用中のメンテナンス精度ももちろんですが、運用前のアカウント設計の精度が、その後の成果を左右するともいわれています。

キーワードの洗い出しでは、自社の強み弱みはもちろんですが、競合や市場を意識した選定が欠かせません。特に競合視点を意識してキーワードを洗い出すのはなかなか難しいもの。例えば、リスティング広告の運用代行サービスでは多くのアカウントを運用していることから、競合がどのような攻め方をしているのか、市場はどんな状況かなど、客観的な視点でキーワードを選定します。

リスティング広告のキーワード選定は、ターゲット設定の重要なポイント。間違ったキーワード選定をしてしまうと、購買につながる顕在層にアプローチできなかったり、購入見込みのないターゲットにコストを割いてしまったり、という状況に陥ってしまうことも…。

自社で専門的を保有していない。精度の高いキーワードの洗い出しができそうにない。そういったケースでは、リスティング広告の運用代行サービスを利用するなど、目的・目標達成に向けた効率的な運用を考えてみることをおすすめします。