リスティング広告を自社ビジネスに活かすには?リスティング広告代理店が考える3つの指標

リスティング広告の配信レポートから、クリック数やコンバージョン数の増減をチェックし、より効率的にクリックやコンバージョンを獲得できる方法を模索することもあるでしょう。広告出稿前に比べると伸びた売上に対し、満足してしまうことも少なくないはずです。

しかし、リスティング広告の運用では、単にクリックやコンバージョンを獲得するだけでは、自社ビジネスにとってメリットのある施策か判断することはできません。

そこで今回は、リスティング広告を自社ビジネスに活かすために押さえておくべき3つの指標について解説します。

リスティング広告施策を正しく評価するために必要なこと

まずは、リスティング広告施策を正しく評価するために必要な考え方についてご説明します。

前提として、リスティング広告の施策評価をする際は、クリック数やコンバージョン数、広告コストなどを単体で捉えないのがポイントです。「クリック数をもっと伸ばす」「前月と比べてコンバージョン数を評価する」「投下コストが膨らんでいるから少し抑える」などと、ついつい単体の指標で評価してしまいがちですが、ここが落とし穴です。

リスティング広告を自社ビジネスに活かすためには、広告出稿から得られるメリット、つまりは利益の確保につなげることが前提。その視点から施策を評価することが重要なのです。

広告費と売上・利益のバランスが重要

利益を確保することは、「投下した広告費を上回る利益が出たか?」を基準に、リスティング広告の施策を評価することです。たとえクリック数やコンバージョン数が順調に得られていても、広告費用が商品・サービスの売上から得られる利益を上回っていては本末転倒。広告費と売上・利益のバランスを見ながら、正しく施策評価しなければなりません。

次の3つは、異なる視点からリスティング広告の施策評価ができる指標です。

1件のコンバージョン獲得にいくら投資したかを『CPA』でチェック

リスティング広告の施策を正しく評価するために、まずはCPAの考え方を理解しましょう。CPA(Cost per Action / Acquisition)はコンバージョン単価とも呼ばれており、1件のコンバージョンを獲得するためにいくら投資したのかを計る指標。つまりは、コンバージョンの獲得単価です。

CPAの算出には、次のいずれかの計算式を使います。

・CPA=広告コスト÷コンバージョン数

・CPA=クリックあたりの平均単価÷コンバージョン率

CPAはリスティング広告の配信レポート上から簡単にチェックできます。どのくらいのコンバージョンを獲得できているのかだけでなく、1件のコンバージョンを獲得するのにどれくらいの費用がかかっているのか把握することで、効率的に成果が得られているかチェックできます。

ただし、CPAの分析では原価などを考慮していませんので、損益分岐点を超えているかのチェックは難しいもの。そのため、売上や利益ベースでリスティング広告を評価するためには、後述する2つの指標が欠かせません。

CPA分析に適したサイト・適さないサイト

CPA分析に適したサイトは、資料請求や会員登録などWebだけでは購買が完結しない不動産や転職などのサイト。また、1種類だけの商品を扱うサイト同一価格で複数の商品を販売しているサイト。一方、商品価格のラインアップがさまざまなサイトの分析には適していません。

広告費に対してどれくらい売上が上がっているかを『ROAS』でチェック

ROAS(Return on Advertising Spend)は、リスティング広告のコストに対し、どのくらいの売上が上がっているのかをチェックできる指標。広告費を上回る売上が上がっているのか確認する際に役立つ指標です。

ROASをの算出には、次の計算式を使います。

・ROAS=(リスティング広告による売上÷広告費用)×100%

また、ROASは「投資した広告費用の回収率」を把握する指標ともいえます。リスティング広告の出稿コストが何倍になって返ってきているかチェックできる指標です。

例えば、広告コストが10万円に対し、50万円の売上が上がっているとします。上記の計算式に当てはめると、売上50万円÷広告コスト10万円=500%。広告掲載料1円あたり5円の売上を得ていることになります。この数値が高いほど、費用対効果の高い運用が実現できているということです。

リスティング広告による売上金額の算出方法

ROASを計算するためには、リスティング広告による売上を把握しなければなりません。一般的には、ユーザーが目標を達成した時の平均的な売上金額(平均単価)を把握した上で、

・リスティング広告による売上=コンバージョン数×平均単価

の計算式を使い、広告による売上金額を算出します。

ROAS分析に適したサイト・適さないサイト

ROAS分析に適したサイトは、Webだけで購買活動が完結するサイトで且つ、価格のラインアップが異なるさまざまな商品を販売しているサイト。一方、資料請求や会員登録などをコンバージョンとする、実際の売上が測定できないサイトの分析には適していません。

広告の投資額に対してどのくらい利益を得られるか『ROI』でチェック

ROI(Return on Investment)は、利益ベースでリスティング広告の施策を評価する指標。ROASが売上ベースだったのに対し、ROIでは「リスティング広告の投資額に対してどのくらい利益を得られるか」を把握できます。

ROIの算出には、次の計算式を使います。

・ROI=((リスティング広告による売上-売上原価)÷リスティング広告のコスト)×100%

売上から売上原価を引くことで利益を算出します。広告コストが利益を上回っているならば、ビジネス全体として赤字になっているため、リスティング広告の運用方針を見直さなければなりません。ROIが100%を下回っているときは要注意です。

また、ROIが100%の水準がすなわち損益分岐点。リスティング広告が損益分岐点を超えているかどうかを把握するため、ROIが100%を上回っているかを常にチェックして広告を運用しましょう。

利益確保にこだわるリスティング広告運用代理店アートワークス

せっかくリスティング広告を出稿しているのに、自社ビジネスにとってマイナスの効果につながってしまっていては意味がありません。できるだけ多くのメリットを得られる効果的な運用をすべきなのです。

アートワークスのリスティング広告運用代行サービスでは、元Yahoo社員による広告ノウハウでお客さまのリスティング広告運用をサポート。CPA・ROAS・ROIの分析をもとに、利益につながる運用ができているかを判断しながら、日々の広告を運用いたします。

「リスティング広告が成果につながっているのか把握できない」「リスティング広告の継続を迷っている」「既存の代理店のレポーティングに不満を持っている」などの悩みを抱えている方は、ぜひお気軽にご相談ください。