リスティング広告の仕組みは、ユーザーが検索エンジンに入力したキーワードに連動して広告が表示されるもの。頭では理解できていても、いざ広告運用となるとアカウント設計が複雑過ぎてわからない。そんな悩みを抱えている担当者も多いのではないでしょうか。
また、設計ができたとしても、果たしてそれが効果的に成果を獲得できる設計になっているのか自信がない。そう感じながら運用している人も少なくないはずです。
今回は、リスティング広告の運用初心者でもわかる「広告アカウント設計のポイント」を解説します。
リスティング広告のアカウント構成について
リスティング広告では、
・キャンペーン
・広告グループ(キーワード)
・広告文
を戦略的に設計し広告配信します。
設計する目的がそれぞれ異なりますし、目的を理解しないままアカウント設計を行ってしまうと、「成果に結びつかない」「管理しにくい」など、理想の運用からかけ離れてしまうこともよくあります。
では、「キャンペーン・広告グループ・広告文」が持つ目的と、効果的な設計のポイントを見てみましょう。
予算や目的をわけて設計する「キャンペーン」
キャンペーンでは1日に使う広告予算や曜日・時間帯・地域・デバイスごとの入札単価の設計を行います。
複数の商材やターゲットに対し広告配信する場合は、1日に使用する広告予算などをそれぞれ個別に設定したいところです。効率的なキャンペーン設定を行えば、広告予算を最適化できます。効果的なキャンペーン設定のポイントは次のとおりです。
BIGキーワード用のキャンペーンを作成する
BIGキーワードとは検索ボリュームが大きいキーワード。ユーザーのクリックを最も多く獲得することが予想されるキーワードです。
ユーザーのクリックを多く集めるということは、それだけ多くの予算を消化してしまう可能性があるため、日別予算の設定は欠かせません。また、BIGキーワード用のキャンペーンを作成しておくことで、予算も管理しやすくなります。
ブランドワード(社名・ブランド名・サービス名)用のキャンペーンを作成する
ブランドワードは「社名・ブランド名・サービス名など」のキーワード。ブランドワードはクリック単価が高騰しないため、1件の成果を獲得するためのコストを低く抑えることができます。
その他のキーワードとは配信結果が異なることが多いため、ブランドワード用としてキャンペーンを作成することでアカウントの管理がしやすくなります。
商材・サービスごとにリンク先が異なる場合はそれぞれにキャンペーンを作成する
商材やサービスが異なれば、1件獲得にかけられるコストにも差がでます。そのため、それぞれの商材やサービスごとにキャンペーンをわけることで、効果的なコスト管理が行えます。
ポイントは、商材やサービスの大カテゴリごとにキャンペーンをわけること。アパレル通販の場合なら、メンズ・レディース・子供服といったように大カテゴリごとにキャンペーンを作成。その上で、後述の通り、シャツやパンツ、ブラウスなどリンク先URLが異なる商品ごとの広告グループを設定することで、どんな商品がどのような成果につながっているのかが把握できます。
キーワードの属性ごとにキャンペーンを作成する
ひとつの商品に絞ってリスティング広告を配信する場合は、たくさんのキャンペーンを作成する必要はありません。ただ、そういったケースでもキーワードの属性に応じてキャンペーンを作成することをおすすめします。広告効果の高いキーワード属性への予算配分を厚くするなど、効率的な運用を行うことができます。
キーワード属性によってグルーピングする「広告グループ」
広告グループでは前述の大カテゴリに属する商品など、細分化されたカテゴリを管理し、それぞれのカテゴリごとにキーワードを設定していきます。また、広告グループには実際にユーザーが目にする広告文がひも付くため、ターゲットのニーズを分析したうえで設定する必要があります。
リンク先が複数ある場合はそれぞれに広告グループを作成する
特に通販サイトなどの場合は、商品やサービスごとにリンク先URLが異なるケースが多いもの。広告グループには広告文がひも付いているため、商材やサービスごとに広告グループを設定しなければなりません。
ユーザーニーズごとに広告グループを作成する
ユーザーのニーズによって訴求すべき広告文は異なります。シャツを買いたいと考えているユーザーには、シャツの購入を促す広告文を作成するのは当然のこと。ということは、ニーズによって広告グループをわける必要があるということです。
ターゲットのクリックを促す「広告文」
広告文はターゲットのクリックを促す重要な要素。ターゲットの目に触れる要となる広告部分です。
ユーザーのニーズにマッチした広告文を作成する
前述のとおり、効果的に広告グループが設定できていれば、それぞれのグループごとに訴求すべきポイントが明確になっているはずです。「どういった商品を購入しようとしているユーザーなのか?」「どういったニーズを持ったユーザーなのか?」広告グループごとにそれぞれ異なりますので、ユーザーのニーズにマッチした広告文を作成するのがポイントです。
アカウント設計に失敗すると……
アカウント設計の失敗例でよくあるのが、「日別予算と上限クリック単価(上限CPC)のバランスが取れていない」ということ。日別予算を低く設定しているにも関わらず上限CPCが高い場合は、充分なクリック数を獲得することができません。その結果、登録しているキーワードの多くがクリックされないまま、日別予算の上限に達してしまいます。
「1つのキャンペーンに多くの広告グループを設定している」や「1つの広告グループに多くのキーワードを設定している」などもよくある失敗例です。
1つのキャンペーンに多くの広告グループを設定してしまうと、予算が分散されてしまい、検索数の多い広告グループに予算が偏ってしまいます。
また、1つの広告グループに多くのキーワードを設定してしまうと、偏ったキーワードに予算が集中してしまうため、広告表示の機会を失ったキーワードが出てきてしまいます。
こういった失敗を起こさないよう、戦略的にアカウント設計を行う必要があるのです。
アカウント設計で設定できる主な項目まとめ
キャンペーンの設定では、
・日別の広告予算
・曜日のターゲティング
・時間帯のターゲティング
・地域のターゲティング
・対象外キーワード
・広告配信や入札などの諸設定
広告グループの設定では、
・入札などの諸設定
・対象外キーワード
キーワードの設定では、
・入札価格
・マッチタイプ
・URLの設定
広告文の設定では、
・タイトル
・説明文
・表示URL
・URLの設定
を行います。
それぞれの設定が広告運用にどのような影響を与えるのかを理解し、広告効果を最大化できるアカウント設計を目指しましょう。
ただし、業界の流れをはじめ、競合他社の動向、ユーザーニーズの変化などによって、最適なアカウント設計は異なります。また、アカウント作成時から理想的な設計を行うのは難しいもの。リスティング広告は運用型広告とも呼ばれ、日々のメンテナンスを重ねながら広告効果を最大化していく広告商材です。
無駄な広告コストを抑え、最短スピードで効果を最大化するためには、自社で保有している知識やスキルでの対応は難しいケースもあります。そういった際は、多くのクライアントの運用を担当し、深い専門知識を持ったリスティング広告運用代行サービスを利用するなど、投資対効果の高い運用をおすすめします。
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