正しくターゲットにリーチできていますか?リスティング広告キーワードのマッチタイプ基礎知識

リスティング広告のキーワードを選定した次は、マッチタイプを設定する必要があります。戦略的にターゲットにリーチするためには、適切なマッチタイプを選択しなければなりません。今回は、正しくターゲットにリーチするために知っておくべきマッチタイプの基礎知識を見てみましょう。

マッチタイプとは?

キーワードのマッチタイプとは、ユーザーの検索語句に対し、登録したキーワードがどの程度一致した際に広告表示させるのか。それを指定するための設定項目です。

マッチタイプには、「完全一致」「フレーズ一致」「部分一致」「絞り込み部分一致」の4つがあります。では、それぞれのマッチタイプについて詳しく見てみましょう。

キーワードを限定しCV獲得の確率をアップさせる『完全一致』

完全一致のマッチタイプを指定すると、ユーザーの検索語句と登録したキーワードが完全に一致した場合のみ、広告が表示されます。ただし、表記のゆれ(漢字、ひらがな、カタカナ、誤字、省略形など)で広告が表示されるケースもあります。

例えば、完全一致のマッチタイプで「インターネット回線」というキーワードを登録した場合、「インターネット回線」はもちろんのこと、「インターネット開戦」や「インターネットかいせん」「internet回線」などの検索でも広告が表示されるケースがあります。

完全一致の効果的な使い方

完全一致のメリットは、想定しないキーワードでの広告表示を防げるという点です。そのため、無駄コストを抑えることができます

ただし、完全一致のマッチタイプだけでターゲットにリーチできるすべてのキーワードを網羅するのは難しいもの。コンバージョン獲得を想定したキーワードのみを登録するため、コンバージョン獲得の確率はップするものの、リーチできなかったターゲットのコンバージョン獲得を逃してしまう可能性もあります。

そのため、完全一致だけに絞って配信するのではなく、他のマッチタイプも用い、コンバージョンの獲得効率をチェックしながら運用するのがポイントです。

自社の商品やサービス名はコンバージョン獲得が見込めるキーワードのため、完全一致で登録することが多く、完全一致のキーワードのみで構成したキャンペーンを設計するケースもあります。

除外キーワード設定で効果を発揮する『フレーズ一致』

フレーズ一致のマッチタイプでは、登録したキーワードに対しユーザーの検索語句と語順が一致した際に広告が表示されます

横浜 レストラン」というキーワードをフレーズ一致で登録した場合、ユーザーの検索語句に「横浜 レストラン」というフレーズが入っていれば広告が表示されます。また、完全一致同様、表記のゆれがある場合にも基本的には広告が表示されます。

語句と語順がマッチしていれば広告表示されますので、上記のキーワードの場合、「神奈川 横浜 レストラン」「横浜 レストラン 高級」「神奈川 横浜 レストラン 高級」などの検索語句にはマッチします。

一方、「横浜 高級 レストラン」や「レストラン 横浜」など、登録したキーワードの間に別の語句が入っていたり、語順が違っていたりする場合には広告が表示されません。

フレーズ一致の効果的な使い方

キーワードの登録には、広告を表示させたいキーワードと、表示させたくない除外キーワードというものがあります。フレーズ一致の指定は、除外キーワードの指定の際に効果を発揮します。詳しくは後述します。

幅広いターゲットにリーチできる『部分一致』

部分一致のマッチタイプでは、ユーザーの検索語句の中に部分的に登録したキーワードが入っている場合に広告表示されます。それだけでなく、ユーザーが検索した語句と関連性のあるキーワードや類義語をキーワード登録している場合にも広告表示されるのが特徴です。

例えば、「引越祝い プレゼント」というキーワードを部分一致で登録した場合、「引越」や「プレゼント」という語句に関連のあるキーワードの検索でもマッチするため、「引越祝い」「引越祝い ギフト」「引越祝い 贈り物」「贈り物 マナー」など、幅広いキーワードで広告が表示されます。

部分一致の効果的な使い方

完全一致やフレーズ一致のマッチタイプは、ターゲットのニーズを的確に捉える必要があるため、キーワードの設定に時間がかかってしまうケースがあります。

一方、部分一致ではキーワードの類義語や関連キーワードでも広告表示されるため、キーワード設定の負担を軽くすることができます。

ひとまず部分一致で幅広いターゲットにリーチし、コンバージョンをはじめクリック数やクリック率をチェック。除外キーワード設定やキーワードの停止を行い、効率的なメンテナンスを行うことで、コンバージョン効率をアップさせることができます。

押さえておきたい部分一致のメリット・デメリット

部分一致のマッチタイプでは、幅広いキーワードで広告表示されるため、キーワード設計時には気づかなかったターゲットにリーチすることができます。また、幅広くマッチしたユーザーの検索語句をチェックすることで、ユーザーの意外なニーズを発見することもできます。

一方、予想外のキーワードにもマッチしてしまうため、キーワードの最適化に対する時間がかかってしまうだけでなく、無駄な広告コストを使ってしまう可能性もあります。また、除外キーワードの登録に手間がかかってしまうケースもあるため、部分一致のマッチタイプはキーワード最適化のメンテナンスも意識して活用しましょう。

コンバージョン効率の改善と親和性の高い『絞り込み部分一致』

絞り込み部分一致のマッチタイプでは、ユーザーの検索語句の中に登録したキーワードが含まれている場合に広告が表示されます

フレーズ一致と異なる点は、キーワードの間に別のキーワードが入っている場合や、語順が異なる場合でも広告が表示されるという点です。

前述の「横浜 レストラン」を絞り込み部分一致で指定した場合、「横浜 高級 レストラン」や「レストラン 横浜」などのキーワードでも広告が表示されます。

ちなみに、表記ずれも広告表示の対象になりますが、類義語は対象とならないため注意しましょう。

絞り込み部分一致の効果的な使い方

絞り込み部分一致のマッチタイプでは、コンバージョンにつながることが想定されるキーワードを中心にキーワード登録するのがポイント。そうすることで、コンバージョンの獲得単価(CPA)を抑えることができます

部分一致のマッチタイプとは異なり、あくまで想定した語句が含まれている場合にのみ広告表示されるため、多くのコンバージョン獲得には向いていないものの、CPAを抑えた堅実な運用に効果を発揮するマッチタイプといえます。

例えば、コンバージョンの獲得が見込める主要キーワードが発見できれば、絞り込み部分一致で登録していくことをおすすめします。想定したキーワードに興味・関心があるユーザーに対し確実に広告配信を行い、低単価でコンバージョンを獲得できるからです。

コンバージョン効率アップに欠かせない『除外キーワード』の設定

実際にユーザーが検索した結果を「検索クエリ」と呼びます。リスティング広告を運用していると、大量の検索クエリが蓄積されます。その中には、想定しないキーワードで広告が表示されているケースもたくさんあります。それらのキーワードを除外するのが「除外キーワード」です。

除外キーワードの設定では、フレーズ一致のマッチタイプを使い、なるべく1語単位でキーワードを設定するのがポイントです。

例えば、レストランなど飲食店の集客でリスティング広告を出稿する場合、「求人」のキーワードは想定外。その際、「レストラン 求人」で除外キーワード登録してしまうと、「食堂 求人」や「レストラン 横浜 求人」などの検索で広告が表示されてしまう可能性があります。

求人」をフレーズ一致で登録することで、ユーザーの検索語句に「求人」が含まれている場合に広告が表示されてしまうのを防ぐことができます。

運用メンテナンス時のマッチタイプの精査は重要

キーワードのマッチタイプが正しく設定されていないと、見込みターゲットにも正しくリーチできません。広告の配信量やコンバージョン獲得の機会損失にもつながってしまいます。

たくさんのキーワードを登録している場合には、マッチタイプを精査する負担も大きくなってしまいます。また、それぞれのマッチタイプの特性を生かしてリスティングの広告運用を行うためには、それに適したキャンペーン設計も求められます。

自社のリソースでの対応が難しい場合は、リスティング広告の運用代行サービスに依頼してみることをおすすめします。アカウントの設計段階から、ターゲットにリーチするために最適なマッチタイプを意識したキーワード設計を依頼することができます。まずは気軽に運用代行の相談からはじめてみてはいかがでしょう。